4136G2dJsnL. SX351 BO1204203200 「人間の土地へ」 「人間の土地へ」

出版社:‎ 集英社インターナショナル
発売日:2020年9月25日
定価:2200円

山本美香記念国際ジャーナリスト賞(第8回)受賞 !!

世界で最も困難な山、K2に日本人女性として初登頂した著者と、今世紀最大の人道危機、シリア内戦に翻弄された沙漠の青年。
平和な沙漠の民が内戦の大きな渦に巻き込まれていく様を二人の目を通し、内側から描いた稀有なノンフィクション。

世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。
標高8200メートルでビバークを余儀なくされたが、命からがら下山し、自分が大きな時間の流れの中で生かされている存在にすぎないと知る。
やがてシリア沙漠で出会った青年、ラドワンと恋に落ち、彼の大家族の一員として受け入れられていく。
2011年、平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた大家族も、否応なくその渦に巻き込まれていった。
徴兵により政府軍兵士となったラドワンは、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、沙漠を逃走、ヨルダンへと越境する。
しかし安全を手にしたはずの難民キャンプには、人生を選び取る“自由”がなかった。
ラドワンは、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。
小松とラドワンの二人は、お互いの文化の壁に戸惑いながらも、明日の希望に向かって歩み続ける。