「見えない入管問題を考える」 HP有料会員サイトでのイベントのお知らせ

有料会員様向けにトークイベントを開催いたします。

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期日:3月30日(水)20:00〜22:00  zoomによるオンラインイベント

テーマ:「見えない入管問題を考える〜収容者の家族として〜」

ゲスト:カタクリ子さん(偽名・入管収容者 妻の会会員)

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小松由佳HPでは、有料会員様向けに月に一回のトークイベントを開催いたします。今月のトークイベントは、入管問題をテーマにした企画です。2021年10月の時点で、在住外国人労働者数は173万人、実に10年前の3倍近い数字に達しています。日本の深刻化する労働者不足を、こうした外国人労働者が担っている一方で、外国人の在留資格をめぐる問題も増えています。

特に在留資格のない非正規滞在者の外国人が、自国への強制退去令を受け、送還までの間に収監される入管収容施設(茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」など)では、年々長期収容が常態化し、収容者への非人道的な扱いについて国際人権条約機関からも勧告を受けています。

本トークイベントでは、ガーナ人の配偶者が牛久の入管施設に二年間にわたって収容された経験を持つカタクリ子さん(偽名・入管収容者 妻の会会員)をお招きし、その経験をお話いただきます。現在、カタクリ子さんの夫はガーナへと強制送還され、家族はバラバラの状態です。夫の入管施設への収容が、家族にどのような日々をもたらしたのか、そこで感じた思いや課題、入管問題を知らない日本人に知ってもらいたいことなど、当事者の立場から語っていただきます。

▶︎カタクリ子さんについての記事(こちらはジャーナリストの志葉玲さんによるものです)

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20220222-00283233

イベントではまず、カタクリ子さんに1時間ほどのお話をいただき、その後は質問タイム、意見交換をしたいと思います。入管問題についての関心を深めるクリエイティブな時間となればと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

またイベントのズーム情報は、イベント当日に有料会員の皆様にメールにてご連絡させていただきます。

また当日ご参加できない皆様も、後日、イベントの録画動画をサイトに公開いたしますので、そちらをご覧ください。以上、どうぞよろしくお願いいたします。

*こちらは小松由佳HPの会員様向けのイベントです。参加ご希望の場合、大変恐縮ですが、会員登録手続きを頂いてからのご視聴となります。よろしくお願いいたします。

<小松由佳HP 有料会員(月額1000円)のご案内について >

https://yukakomatsu.jp/membership-join/

小松由佳(2022年3月25日更新)

映画『牛久』と入管問題

入管問題に光を当てたドキュメンタリー映画『牛久』。通常、なかなか見ることのできない、知ることのできない入管内部の様子を、“隠し撮り”という手法で撮影した衝撃的な作品です。映画『牛久』を見た感想や学び、さらにトーマス・アッシュ監督に質問して「そこじゃない!」と叱られてしまったエピソードを盛り込み、入管問題について考えます。こちらは40分のオーディオプログラムです。ラジオ感覚でご視聴ください。

ご視聴はこちらよりどうぞ。

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プーチンのロシアとウクライナ 

2月24日から突如始まったロシア軍によるウクライナ侵攻。

ウクライナ各地では激しい戦闘が続き、すでに100万人近くが難民となって隣国に逃れた。この世界は、こんなにも不安定な均衡のうえに成り立っているのだ。

欧米諸国はロシアに対し、「武力侵略を容認しない」という強いメッセージを送った。異例中の異例という経済制裁も次々と課され、世界の厳しい目がロシアに向けられている。

ウクライナ。人は暖かく、大地は豊かで、詩的な美しさの漂う国。2008年、ユーラシア大陸横断の旅の途上、1週間ほど滞在した。首都キエフのドニエプル川を見下ろす高台で、夕暮れを寄り添うように眺めていたカップルの後ろ姿が忘れられない。

「揺れる大国 プーチンのロシア」

10年ほど前、あるNHKのドキュメンタリー番組を見た。「揺れる大国 プーチンのロシア」。2009年3月に4回にわたって放送され、書籍化もされた番組だ。現代のロシアを生きる人々の姿を追うことで、ロシアという全体像を浮き上がらせていた。

(https://www.amazon.co.jp/揺れる大国プーチンのロシア―NHKスペシャル-NHK取材班/dp/4140813830)

そこに登場した、初老のタクシー運転手の話が印象的だった。

「この国の歴史を知る者は、二度と国に背くことはしない」。

運転手はハンドルを手にしながら淡々と語っていた。過去にこの国で何が起きてきたか。どれほどの者たちが国に反旗を翻し、命を落としてきたか。ロシア人は皆それを知っているのだと。

番組全体を覆う重苦しい雰囲気から感じたのは、プーチンのロシアが、いかに維持されてきたかだった。かつての“強いロシア”への憧憬のもと、情報統制と監視を行い、越えてはいけない政治の一線を科すことで人々を繋ぎ止めてきた。

だが現代、世界はグローバル化・デジタル化によって急激に変化している。特にSNSのような世界的なネットワークは、メディアのあり方から個々の繋がり、社会のあり方までを内側から変えている。

このウクライナ侵攻でも、SNSを駆使した情報戦が繰り広げられている。戦闘の最前線がリアルタイムで投稿され、セレンスキー大統領自らが、スマートフォンでの自撮りという方法で、ウクライナ人はもちろん、敵国のロシア人に対してもSNS上で訴えかける。

いかに大衆に思いを訴え、彼らの心を動かし、具体的な行動へとつなげるか。コメディアン俳優、映画プロデューサー出身という異色の経歴を持つセレンスキー大統領は、それを誰よりも知っている。

このウクライナ侵攻によって、図らずもロシア自身が、自由主義という新しい価値観によって結果的に占領されるきっかけになるかもしれない。いくら力で押さえ付けても、インターネットによって多様な情報に晒される現代社会では、人の心の内まで抑えることはできないはずだ。

シリアからトルコに逃れたばかりの8歳の子供が描いた故郷シリアの絵。トルコ南部レイハンル、2015年。

8歳のシリア難民の子供による故郷シリアの絵。降り注ぐ爆弾、路上で亡くなる人々の姿が描かれた。2015年。

過熱するウクライナ報道への違和感

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