ラジオ出演のお知らせ TOKYO FM「SDGs学部ミライコード」(番組HPにて試聴可能です) 

TOKYO FMのラジオ番組、「SDGs学部ミライコード」に出演させていただきました。番組パーソナリティをつとめるのは、イラン出身の女優でもあり、人権活動家としても知られるサヘル・ローズさん。一回の収録を、2回分に分けて放送いただきました。以下、番組のHPよりご試聴いただけます。

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#76 シリア難民の現在、子連れパニック取材記

https://audee.jp/voice/show/68316

#77 人が生きる=SDGs

https://audee.jp/voice/show/68692

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ちなみにSDGsとは、「持続可能な開発目標」。「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のことです。 この番組では、さまざまな分野の方を招き、この時代を生きるためのさまざまな問題についてお話をしているそうです。過去の番組もさかのぼって試聴することができます。

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また以下は、今回の収録の裏話や考えたことなどです。10分ほどの音声をお聞きいただけます。

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『月刊みんぱく』2023年8月号に寄稿させていただきました

大変光栄なことに、国立民族学博物館発行の月刊誌『みんぱく』(2023年8月号)様に寄稿させていただきました。

〜「人々は嘘をついているのではなく、「あえて真実を語らない」。いや「語れない」のだ。それが、このシリアを生きなければならない彼らからの、見えないメッセージなのだ。〜(文中より)

(『月刊みんぱく』「特集 政治的なるものと不条理の超克」国立民族学博物館 発行(2023年8月号))

(「これが、あのパルミラ・・・」小松由佳)

当初、原稿執筆テーマとして伝えられていたのは、「独裁下を生きる知恵」。世界各国の独裁政権下で、人々がどのように生きてきたか、生きているのかについて特集するということでした。私はこの10年ほど、シリア難民の取材を行ない、また昨年2022年には、11年ぶりのシリア国内取材に入りました。そうした背景から、内戦状態のシリアについて、フォトグラファーとしての視点から書けることを、というお話でした。

依頼をいただき第一に感じたのは、このような深みのある内容を書かせていただけることへの僥倖、そして「なんという難しいテーマだろう・・・」ということでした。雑誌の発行元が「国立」博物館であるため、そのバックにあるものを考えると、内容に大変気を遣いました。というのも、事実は事実として示しながらも、政治的な中立性を持たせなければならないからです。

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「トルコ・シリア大地震 被災地取材 オンライン報告会(8月22日開催)」の録画視聴について

8月22日、6月に行ったトルコ・シリア大地震の被災地取材のオンライン報告会を行わせていただきました。

以下は、報告会をレコーディングしたデータとなります。ご自由にご視聴ください。
なお、すみませんがこちらのデータのインターネットへの投稿や第三者へのシェアはご遠慮いただきますよう、お願いいたします。

(こちらは、「小松由佳HP有料コンテンツ」の会員様は無料でご覧いただけます。その他の皆様は、視聴料1000円、または「困窮者枠利用で無料」でご利用いただけます。HPの「コンタクト」よりお問合せください)

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トルコ・シリア大地震の被災地取材 オンライン報告会について 

*日時:2023年8月22日 19:00〜21:00

*参加費1000円。ただし、HP有料会員、地震被災者支援金を下さった方、困窮している方などは無料。(HP有料会員の皆様には、直接zoomのURLをご連絡しております)

*こちらはzoomを使用したオンラインイベントです。報告会に入室する「招待URL」は、申し込み後にメールにてお送りいたします。

<はじめに> 

今年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震。マグニチュード7.8の巨大地震とその後の余震により、多くの建物が倒壊し、両国で5万人強の犠牲者が出ました。それから4カ月が経った今年6月、被災地の状況を取材するためトルコ南部に向かいました。

主な取材地は、甚大な被害があったトルコ南東部のハタイ県アンタキヤや、避難者が多く暮らすレイハンルです。これらの街で、特に地震で被災したシリア人の状況を取材しました。

地震大国の日本に暮らす私たちにとっても、地震被害は決して遠い国の出来事ではありません。被災地で目にしたこと、感じたことを是非皆様と共に共有させていただけたらと思い、オンライン取材報告会を企画しました。ぜひご参加ください。

<お申し込み先> https://peatix.com/event/3673916/view

(地震によって倒壊した家を案内いただく。トルコ南東部クルクハンにて)

<取材報告会の要旨>
・大地震の発生
・被害状況
・倒壊したかつての家と被災者
・シリア人とトルコ人の支援格差
・シリア人被災者キャンプ、ケーンンマウラーキャンプ
・被災者をとりまく現状
・地震の教訓を考える

以上、よろしくお願いします。

信濃毎日新聞様に寄稿させていただきました

長野県の新聞社、信濃毎日新聞様に、6月の地震被災地取材の内容を2回に分けて寄稿させていただきました。取材内容を多くの方々に知っていただける素晴らしい機会をいただき、大変光栄なことでした。

「トルコ・シリア大地震 被災地はいま」〜重なる苦難〜 「上」・「下」

(信濃毎日新聞 2023年7月28日)

(信濃毎日新聞 2023年8月2日)

今後もこのようなお仕事をたくさんやらせていただけるよう、努力したいと思います。

*新聞への寄稿について裏話

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八王子市「多文化共生写真展」に出展します

8月6日(日)の 10時〜16時、八王子市にて行われる「多文化共生写真展」に出展します。

こちらは、京王線八王子駅から徒歩3分の(JR八王子駅からは徒歩5分)、「東京たま未来メッセ」で開催されるイベントで、様々な国の文化を写真展や文化交流から体感するという企画です。お土産品やお茶の試飲などのコーナーもあるようです。

私は「トルコ・シリア」の企画展示で参加し、6月のトルコ・シリア地震の被災地の写真、昨年のシリア取材で目にした破壊されたパルミラの写真、シリア難民の写真の三つを展示します。また、国際理解を深めるためのイベントとのことで、大人向け・子供向けクイズも行います(景品もあり)。

おりしも8月6日は、八王子駅近くの甲州街道で行われる伝統行事「八王子まつり」の最終日です。ぜひ祭り見物と併せて、こちらの展示にもお越しください。当日、私は会場に在廊しております。

(以下、詳細です)

https://hachikomi.genki365.net/G0000533/system/event/5483.html

トルコ・シリア地震 取材報告会のお知らせ

6月に行った、トルコ側の地震被災地の取材報告会のお知らせです。この取材では、被災者の方々のお話から、災害時の教訓について大変考えさせられました。

こちらの取材報告会は、探検家・医師の関野吉晴さんの連続講座「地球永住計画」にてやらせていただきます。最初に私からご報告し、その後関野さんと対談をします。人間として尊敬している関野さんとこうした企画をやらせていただけることが大変光栄です。

当日参加できない方のために、後日のオンライン視聴もございます。是非多くの皆様にご参加いただきたく思います。よろしくお願いします。

以下、ご案内、お申し込み先です。

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「地球永住計画 講演 〜賢者に訊く〜 小松由佳×関野吉晴」
【日時】2023年8月3日(木)19時00開始
※ 約120分で終了の予定ですが、質問への回答などによって若干延長されることがあります。
※ トイレ休憩や途中退席、退館など全く問題ございませんので各自自由に行ってください。
【会場】
武蔵野プレイス 4階 フォーラム(JR中央線 武蔵境駅より徒歩2分)

「地球永住計画 公開会場講演 〜賢者に訊く〜」
小松由佳(フォトグラファー)×関野吉晴(探検家・医師)
https://sites.google.com/site/chikyueiju/gakuen/daigaku/2023/komatsu2023

▼会場講演参加チケット(当日会場受付にて1500円を現金でお支払いください)

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/012ew13x1b631.html
https://ws.formzu.net/dist/S110083468/

▼オンデマンド収録配信 視聴チケット(オンライン決済1000円)(8月19日配信)
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/015b9n3c1b631.html
https://chikyueiju-komatsu2023.peatix.com

ー講座概要ー

トルコ南部のシリア国境近くで2月6日に起きたマグニチュード7.8の地震やその後の大きな揺れにより、トルコとシリアの両国で大きな被害が出て、死者数は約六万人近くに及んだ。
小松由佳さんは以前から被災者への救援活動を行なって来ました。6月初め、それ以降の呼びかけで寄せられた救援金を持って、彼女の親族をふくめて、シリア難民の多く住むトルコ南部に向かった。そこで、地震被災者のキャンプに寝泊まりして、インタビューを重ね、6月末に帰国しました。今回は、その帰国報告会です。身体を張って見たこと、聞いたこと、感じたことを話して貰います。(関野吉晴記)

▼以下、小松由佳のコメント。
今年2月に発生したトルコ・シリア大地震。マグニチュード7の大きな揺れが2回発生し、両国で6万人近い犠牲者が出ました。それから4カ月が経った今年6月、被災地の状況を取材するためトルコ南部に向かいました。

大きな被害があったハタイ県アンタキヤでは、瓦礫の山になった高層マンションの跡地など、あまりの惨状を前に、言葉が出ませんでした。
毎年シリア難民の取材をしているシリア国境の街レイハンルでは、被災者キャンプに寝泊まりしながら人々のお話を聞きました。地震がどのように起き、どのように避難したのか。家族の一員や、生活を失った人々が、これまでをどのように過ごしてきたのか。

トルコ南部地域には2013年以降流入した多くのシリア難民が暮らしており、彼らの多くがこの地震で被災しました。現地では、トルコの法によって守られることのないこうしたシリア人被災者の苦境がますます深刻化しています。
取材では、地震大国の日本に暮らす私たちにとっても、災害時の教訓として心に留めるべき多くの気づきがありました。被災地や被災者たちの現状から、私たちにとっても共通する課題として、皆様と共に考えさせていただけたらと思います

(プロフィール)
小松由佳     こまつ・ゆか
1982年秋田県秋田市生まれ。ドキュメンタリーフォトグラファー。
米農家だった祖父母が田んぼで働く姿を眺めて育ち、近郊にそびえる秋田市の名山、太平山(1170m)に幼少時より憧れを抱く。高校登山部
にて初めて太平山に登り、山の世界に魅了される。
東海大学山岳部にて本格的な登山を学び、2006年、“世界で最も困難な山”と称される世界第2の高峰K2(8611m/パキスタン)に日本人女性として初めて登頂(東海大学山岳部 OB隊)。植村直己冒険賞受賞(2006年)。
次第に、風士に根ざした人間の営みに惹かれ、草原や沙漠を旅しながらフォトグラファーに転向。2008年よりシリアを撮影するも、2011年からのシリア内戦で人々の境遇の変化を目撃し、2012年よりシリア内戦・難民を取材。近年は3歳と6歳の子供連れで、「子連れパニック取
材」を行なっている。
著書「人間の土地へ」(集英社インターナショナル/2020年9月)にて、第8回山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞。2022年、第11回モン
ベル・チャレンジ・アワード受賞。シリア人の夫と二人の子供と東京都在住。公益社団法人 日本写真家協会会員。

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以上、皆様のご参加をお待ちしております。

またこちらとは別に、オンライン報告会の日程は、8月上旬に予定しており、まもなく決定いたします。以上、引き続き、よろしくお願いします。

小松由佳(2023年7月18日)

NHK Eテレ『こころの時代〜宗教・人生〜』にて、私の出演回が再放送されます

NHK Eテレ『こころの時代〜宗教・人生〜』にて、私の出演回が再放送されます。

「生きる根を見つめて」 再放送:2023年7月8日(土)13:00〜14:00 (初回放送日:2022年8月28日)

https://www.nhk.jp/p/ts/X83KJR6973/episode/te/E2JRQNVRR2/

取材いただいたディレクターより、「こんなに言葉を語れるNHKの番組は他にはありません」と聞いていたこの番組。昨年のトルコ取材前に収録いただきました。なぜシリア難民を取り続けるのか。自分の人生にとってそれはどういった意味があるのか。インタビューいただきながら、私自身も気持ちを新たにしました。ぜひご覧ください。

(2023年7月5日)

あっという間に取材の日々が流れ、帰国してしまいました!(2023年7月5日)

6月中旬に取材の様子を投稿してから、その後の取材の経過を更新できないまま、6月末に帰国日を迎えてしまいました!涙

この取材では、現地から皆様に状況をレポートするのを楽しみにしていました。しかし取材の半ば頃から、だんだんと記事を更新する余裕がなくなってしまいました。

体調を崩しがちとなったことや(腹痛が続いた)、自由に動き回る子供たちのパワフルさにすっかりくたびれてしまい、とにかく日々、人に会い、話を聞き写真撮るという、やるべきことを続行するだけでいっぱいいっぱいになってしまいました。現地からコンスタントに、取材の様子をご紹介できなかったことが本当に残念です。

子供たちを元気に日本に連れ帰らねば、という責任感でトルコでは動いていましたが、帰国してからはどっと疲れが押し寄せ、数日間グッタリしました。このところ、ようやく回復してきたところです。

(シリア国境に程近いハタイ県レイハンルのケーンマウラーキャンプにて、テントに寝泊まりしながら取材。二人の子供たちは現地の子供たちと毎日倒れるまで走って遊んだ)

取材中は、地震被災者のキャンプで寝泊まりし、被災者の方々からお話を聞いたりと、忘れられない印象的なエピソードがいくつもありました。現地からのレポートができませんでしたが、帰国したからこそじっくりと、こうした取材中のエピソードをご紹介できたらと思います。

さて、帰国してホッとしましたが、これからが正念場です。報道が少なくなってきた地震被災地の現状について、多くの方々に引き続き関心を持っていただきたく、雑誌や新聞などに寄稿させていただく予定です。

本日はひとまず帰国のご連絡でした。更新がないことで皆様にもご心配をおかけしたかと思います。申し訳ありませんでした。

(主要な取材地であるトルコ南部ハタイ県レイハンル。この街の地震被害はさほど大きくなかったが、被害が大きかったアンタキヤなどから多くの被災者が避難している)

(ここからは裏話です)

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トルコ側の地震被災地へ、取材に出発しました!(2023年6月3日)

(成田空港にて出発直前。行ってきます!)

6月1日、トルコ・シリア大地震のトルコ側の被災地の取材のため、成田空港を出発しました。今回の取材期間は約一ヵ月です。

トルコ側の被災地には、夫の親族や知人がシリア難民として暮らしており、多くが被災。地震後、生活状況が一変しました。倒壊した建物の下敷きになり亡くなった知人、トルコ人による差別や物価の高騰に疲労し、より生活費がかからいシリアへと移動した知人もいます。こうした人々のこの4カ月間を、丁寧に取材する予定です。

折りしも5月28日には、トルコ大統領選の決戦投票が行われ、20年の長期政権を維持するエルドアン大統領の続投が決まりました。

対した野党6党の統一候補クルチダルオール氏とは接戦で、最後までどちらが勝利するか分からない選挙戦でした。大きな争点となったのは、トルコに大量に流入したシリア難民をめぐる処遇です。シリア難民のシリア帰還政策実施は必要だという主張は両者に共通しているものの、クルチダルオール氏はより強硬手段を提起していたことから、もしエルドアン氏が勝利しなければ、多くのシリア難民は強制的にシリアに帰されるかもしれない、という局面でもありました。

今回、エルドアン大統領の続投が決まり、シリア難民として現地に暮らす親族や知人たちから、「とりあえずはホッとした」という声を聞いています。

しかし国内では、難民への排斥感情がかつてないほど高まり、通貨安や高インフレで経済の混乱が続いています。トルコ社会の最底辺層であるシリア難民の立場は決して穏やかではありません。

こうしたコロナ禍、大地震、そして大統領選を経た彼らの現在を、一人一人のエピソードを綴ることで発信していきます。

また、地震によって被災したシリア難民への生活支援金を2月から集めさせていただき、皆様からのたくさんのご支援を現地に送金してきました。今回は、手元にある¥722.000(2023年6月2日現在)を持参し、私が直接、被災した方々に受け渡しいたします。皆様の暖かいお気持ちをありがとうございました。

もしまだ、地震で被災したシリア難民への支援を送りたいと思われる方がいらっしゃいましたら、現地でも支援金をATMで引き出してお渡しできます。以下にお振込先を書いておきます。

【地震で被災したシリア難民への支援金 お振込先 】

三井住友銀行

八王子支店

普通

8553199

コマツ ユカ

また今回の取材は、地震発生からあまり時を経ず、被災地を取材したく計画しました。本来は2月の地震発生後、すぐに現地へと赴きたかったのですが、取材費捻出と子供たちの保育園、小学校の準備があり、タイミングが整いませんでした(そのため、地震後は被災地への支援金集めに奔走することで、これが今の自分の役割だと考えました)。今回、なんとか現地への取材に出ることができ、多くの皆様に活動を支えていただいていることに感謝をしつつ、その分しっかりと取材をしたいと気持ちで身を引き締めております。

とにかく現場に立つこと。人に出会い、見て、感じて、考えること。そして一枚一枚、写真を撮ることを努力します。では行ってきます!

(いつの間にかすっかり成長した二人の子供たち。7歳の長男サーメルと、5歳の次男サラームは、共に小さなスーツケースを自分で引っ張り、荷物運びをお手伝いしてくれるようになった)

▼取材の詳細を「小松由佳HP 有料会員コンテンツ」にて発信していきます!

https://yukakomatsu.jp/membership-join/

(こちらは小松の活動を応援いただくための月額1000円のサイトです。今回の取材の経過や裏話、葛藤などをたくさんの写真を交え、より詳細にご紹介していきます。是非、ご登録のうえ応援をよろしくお願いします)

(2023年6月2日)

拙著『人間の土地へ』が、大学入試問題で使用されました(2022年5月23日)

拙著『人間の土地へ』(集英社インターナショナル/2021年)が、なんと今年3月の亜細亜大学様の入試問題の「小論文試験」にて使用されました。

こちらは亜細亜大学様の「入学試験問題 過去問題」として今後公開されるとのこと。入試問題に使っていただけたことは、大変光栄な機会でした。それにしても、なんと難しい問題でしょうか。著者の私も(2)はうまく書けそうにありません。

この試験問題は以下よりダウンロードできます。お時間が許す方は、是非解いてみてください。

申請書-5

申請書-6

(2023年5月23日)

6/1〜6/28まで、トルコ側の地震被災地へ取材に向かいます(2023年5月23日)

トルコ・シリア大地震の発生からまもなく4カ月。被災地の報道が少なくなってきました。その後、地震被害に遭った人々がどのように暮らしているのか、なかなか情報が届かなくなり、また皆様からご支援を集めさせていただき、届けさせていただいたことに対して、その後の状況を伝える責任も感じるようになりました。

現地では急速に復興が始まっており、状況があまり変わらないうちに現地を取材したく、この6月に地震被災地のトルコ側へ取材に向かうことにしました。期間は6月1日から6月28日です。

今回も頭を悩ませたのは子連れの問題です。なにしろ長男は小学生になったばかり。本人には申し訳ないのですが、この間の長男のお世話をする人が身近にいないので、今回も取材へ連れることにしました。その分、取材は短期間で行います。そんなわけで、二人の子供を連れ、6月1日から28日まで取材に行ってきます。地震被災地の現状と、主にシリア難民コミュニティでの人々の暮らしの変化を見つめてきます。

取材後は、記事や写真を新聞紙や雑誌などのメディアにて発表させていただけたらと思っています。昨年の長い取材からあまり時が経っていないこともあり、経済的には辛いところですが、世界が動いている現場に立ち続けたいと思います。また取材の様子は、以下のページにてご報告していきます。

「Coverage of Syrian refugees 2023」

https://yukakomatsu.jp/category/coverage-of-syrian-refugees-2023/

以上、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(2023年5月22日)

トルコ・シリア大地震の被災者への緊急支援金送付についてご報告(2023年5月23日)

今年2月6日に発生したトルコ・シリア大地震では、両国合わせ、5万6千人超の死亡が確認されました。これまで足繁く取材に通ってきたトルコ南部地域が大きな被害を受け、親族や知人も多数被災したことから、私も個人的に緊急支援を集めさせていただきました。

トルコ側、シリア側には夫の親族が難民として暮らしていることから、彼らを窓口に、地震被害を受けたシリア難民の被災者に、支援金を送り、配布させていただきました。2023年5月23日現在まで、総額¥5.185.394を現地に送付させていただくことができました。

こんなにたくさんのご支援を皆様からいただき、被災地したシリアとトルコの現地へと届けさせていただきましたことをお礼申し上げます。皆様のご協力をどうもありがとうございました。

今後も、写真活動を通じ、人と人とを繋げていくことをしていきたいと思います。

また最近でもちらほら地震被災地へのご支援が届き、私の手元には¥569.484(2023年5月22日時点)の支援金が集まっています。

こちらは、今年6月に地震被災地への取材に向かいますので、私が責任を持って被災者に直接お渡しいたします。以上、ご報告させていただきました。

(2023年5月23日)

シリア在住の兄たちに地震支援金を配布いただきました 〜バーセル兄による現地レポート〜

(こちらの記事は、最後の<裏話>まで、一般の方にも公開しています)

2月6日に発生したトルコ・シリア大地震の支援金について、本当にたくさんの方々から温かいご支援をいただきました。3月17日現在までにいただいたご支援の総額は、¥5,185,394です。現在、そのほとんどを現地に送付中で、¥2,884,000分は、配布が完了しています。そのほかは配布中です。

これらの支援は被災地のトルコ側とシリア側に折半してお送りしました。シリア側では被災地が政治によって分断され、国際支援が入りにくい状況ですが、シリア在住の二人の兄が支援金配布に協力してくれました。

シリア、パルミラ出身の私の夫は16人兄弟の末っ子で、上には11人の兄がいます。夫の家族のほとんどがトルコ南部に難民として暮らしていますが、シリアには二人の兄とその家族が残っています。一人はトルコ軍が占領するアレッポ県アル・バーブに暮らすアブドュルラティーフ兄、もう一人はクルド勢力統治下のラッカ県ラッカに暮らすバーセル兄です。

(中央で下を向いているのがアブドュルラティーフ兄。2009年、パルミラの自宅にて。小松撮影)

アレッポ県アル・バーブに暮らすアブドュルラティーフ兄は、内戦以前はパルミラで家屋の不動産業を営んでおり、性格も真面目で真っ直ぐ。兄弟の中でもかなり硬派(兄弟は全員硬派でしたが)な人物でした。道で見かけた女性に四年間片思いした末に結婚したというエピソードも。2016年以降、家族のほとんどがトルコに逃れていきましたが、アブドュルラティーフ兄はシリアから出ることをせず、トルコ側にシリアの食料品の輸出の商売をすることで生活を維持しています。兄が販売するシリア産のオリーブオイルやザクロの濃縮液、ナスの油漬けなどは、トルコで難民になったシリア人の間でもかなり需要があるらしく、商売はうまくいっているようです。

(バイクに乗り、沙漠へラクダの放牧に向かうバーセル兄。2009年、パルミラにて。小松撮影)

(ラクダの放牧中、昼食を食べながらふざける男たち。左側がバーセル。右端のサーメル兄が、友人のハーレッドの顔に、豆のディップをつけ始めた。サーメル兄もハーレッドも2012年に民主化デモに参加して逮捕され、今も行方が知れない。2009年、パルミラにて。小松撮影)

バーセル兄は、パルミラで家業にしていたラクダの放牧の仕事を、今も続けている唯一の兄です。暮らしているのはクルド勢力統治下のラッカ県ラッカ。かつてはイスラム過激派ISの首都となり、ISによる恐怖政治が行われていた地ですが、現在はクルド人の統治下、比較的安定した状況とのことです。

今回、その二人が、皆さまからの支援金をシリア北部および北西部の被災者へ配布しました。以下、そのレポートになります。

バーセル兄からの現地レポート

(3月15日に電話取材をした内容です。バーセル兄は被災地に支援を届けてラッカに帰ってきてから、しばらく沙漠にラクダの放牧に出ており連絡が取れず、お話を聞くのが遅くなりました)

・・・簡単に自己紹介をしてください

私は普段、シリアのラッカ県ラッカに妻や子供たちと暮らしています。仕事はラクダの飼育・放牧業です。ラッカは現在、クルド勢力の統治下にあって政情は比較的安定しています。ここでは地震の被害はありませんでしたが、日本からの支援金を被災地に届けるため、シリア北部のアレッポ県アル・バーブ、北西部イドリブ県に2月末から数日間行ってきました。

・・・支援金を届けた被災地は?

アレッポ県のアル・バーブ、ジェンディレス、アフリンと、イドリブ県のダーナ、サルマダです。

最初に、アレッポ県アル・バーブに向かい、そこに暮らす兄のアブドュルラティーフと合流しました。アル・バーブは地震の被害があまりなかったのですが、被災地から多くの住人がここに避難しています。まず彼らに支援を渡しました。

それからアレッポ県、イドリブ県に行きました。最も被害がひどかったのがアレッポ県のジェンディレスでした。現地では、地域の人々と相談しながら支援金を配布しました。

(左からラッカ、アル・バーブ、ジェンディレス、サルマダ)

(左上の渦状マークが震源地。赤丸は、建物の倒壊被害が激しかった場所。まさにシリア・トルコ国境付近がその被害が大きかったことがわかる)

・・・およそ何家族に支援金を配布できましたか?

およそ80家族です。地震で父親や母親などを失くした3人家族から、子供がたくさんいる8人家族まで人数はさまざまですが、およそ80家族、大体450人ほどに支援金を配りました(日本円にして大体¥10000〜¥15000の範囲で配布いただきました)。

・・・シリアでは、配布した支援金はどのような用途に使われますか?

全てが不足しているので、何にでも使われます。ここでは地震で全てを失った人々がたくさんおり、衣類や食料、毛布、暖をとるための燃料費、テントを買うための資金として使われたようです。

・・・被災地ではどのように人々が暮らしていますか?

被災地ではほとんどの住人がテントか、平屋の建物が、建物の軒下部分で生活しています。被災地の多くの建物にヒビが入っていて、住み続けるのが不安ですし、それ以上に地震が再び来ても、建物の下敷きにならないように注意しているのです。

2月6日に起きた地震は、あまりに突然のすごい地震だったので、皆、今も地震を恐れています。多くの子どもたちや女性が、いつ地震が起きるかもしれない恐怖でよく眠れず、食欲が戻らず、トラウマになっています。

私が訪ねた被災地の中で最も悲惨だったのが、クルド人が多く暮らしていたアレッポ県ジェンディレスでした。ここではかなりの建物が倒壊しました。瓦礫の山がえんえんと続く光景を目にして、ここで起きたことが信じられず、目を疑いました。たくさんの死者が出ましたが、まだ遺体の捜索が続いています。重機が少ないので、捜索はまだまだ終わらないでしょう。この街では生き残った人々も怪我人が非常に多く、手足を失くした子どもたち、若者、老人たちをたくさん目にしたことが忘れられません。

ジェンディレスやアフリンなどのアレッポ県の被災地では、みんなテント暮らしでしたが、彼らは人生で初めてのテント暮らしのようで、何から何まで苦労していました。自分たち家族はパルミラの砂漠で生まれ育ったので、幼い時からテント生活を体験していて、テントでの生活の心得もありますが、そうした経験の全くない人々が突然テントで暮らすのは大変なことです。

(3月1日、アレッポ県ジェンディレスでの捜索活動の様子。アブドュルラティーフ兄が撮影)

・・・シリアでは国際支援も入っていましたか?

はい。NGOが人々にテントや食糧を配布しているのを見ました。しかしその量はわずかで、十分な量ではありませんでした。シリア側では、地震の被害の規模に対して、支援は驚くほど少なく、全てが全く足りていません。私はSNSでトルコ側の被災地に大規模な支援が入っている様子をいつも見ていましたが、シリアでは同じではありません。被災地の人々も、そうした状況を嘆いていました。

・・・現地で今も必要とされているものは何ですか?

やはり生活を維持していくためのお金です。地震で家や仕事を失い、これからどうやって暮らしていけばいいか途方に暮れている人々がたくさんいます。地震で手足を失ったりと、重傷を負った人々でさえ、必要な医薬品を買えずにいます。また食糧、燃料などがほとんどの人々にとって常に不足しています。

・・・トルコからシリアへと移動してくるシリア人を目撃しましたか?

はい、たくさん見ました。シリア側では国際支援こそ少ないですが、物価はトルコ側に比べて安く、またここにいるのは同じシリア人なので、同胞として助け合いの精神が強く、トルコにいるよりも暮らしやすいです。ただイドリブ県では空爆の危険もあります。しかしそれ以上に、今、家族の生活を維持できるかどうかが大事です。シリア人はもう、そこまで追い込まれているのです。

・・・追加でシリアの被災地に支援金を送りたいのですが、あなたにまた届けてもらえますか?

光栄な仕事なのですが、次回は難しいかもしれません。今回、自分が暮らすラッカ(クルド勢力統治下)から、アレッポ県(トルコ軍占領下)、イドリブ県(反体制派勢力統治下)と、それぞれの支配地域をまたいで移動するのが本当に大変で、移動のための証明書を作ったり、提示したりとトラブル続きでした。ラッカからアル・バーブもイドリブもそう遠くはないのですが、支配勢力が違い、それぞれ仲がとても悪いので、移動制限が厳しく、私たちに自由はないのです。

・・・移動制限が厳しく、自由がなくともあなたがシリアで暮らし続けるのは何故ですか?

シリアはトルコに比べて生活水準が落ちますが、なんといっても自分が生まれた国で、自分たちの文化で暮らすことができます。ラッカは以前はIS(イスラム過激派組織)の首都になり、恐怖政治のもとで苦労もしましたが、今は情勢は比較的落ち着いています。ただクルド勢力支配下なので、クルド人が優遇されています。まあ、ラクダを飼って、砂漠で放牧をして静かに暮らす分には問題ありませんが。

・・・今回、危険を冒して被災地まで支援金を配布しに行ってもらい、大変助かりました。

どういたしまして。こちらこそ、シリア人のためにたくさんの支援を送ってくれた日本の人々に、どうもありがとうと言いたいです。本当にありがとうございました。

(支援金を配布した男性と周囲の様子。3月1日、アレッポ県ジェンディレスにて、アブドュルラティーフ兄が撮影)

▼上の動画の翻訳文

アブドュルラティーフ兄:こんにちは。私たちはジェンディレスにいて、アブ・ムハンマドさんと一緒です。地震の後、彼の家は倒壊してしまいました。何が起こったのか教えてもらえますか?

アブ・ムハンマド:地震が起きたとき、私たち家族は寝ていましたが、急いで家から出て外に逃げました。朝の4時15分頃のことでした。 私たちが庭に立っていると、家が入っていた建物が倒壊しました。ここに住んでいたアラブ人とクルド人の半分が亡くなってしまいました。どうか神のご慈悲がありますように。

この男性は(アブドュルラティーフ兄のことか)、地震で生き残った人々への支援を持ってきてくれ、分配するように話してくれました。私たちは大変感謝しています。神がその行為に報いてくださいますように。あなたたちのような人々がたくさんいるように祈っています。どうもありがとうございます。

<最後にひとこと>

この地震では、取材で出会ってきたシリア難民のほとんどが被災したため、彼らのためにできることをしたいと支援金集めを始めました。たくさんの方々からご賛同いただき、現在まで¥5,185,394ものご支援をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

さらにこの支援金の日本からの送付、現地での受け取り、配布については、日本に暮らすシリア人や、現地のシリア難民の親族や知人に活動を支えていただいています。

シリアではバーセル兄たちが、トラブルに見舞われながら異なる支配勢力間を通過し、イドリブでは空爆の危険もある中、受け渡しに協力してくれました。またトルコ側では、夫の家族12人が、家事や仕事の合間を縫い、支援金の受け取りのために銀行の窓口に並んでくれました(トルコに暮らすシリア難民は、一度に受け取れる額は1ヶ月一人当たり約¥170000までと規制があるため)。また日本に暮らすシリア人の知人が、手数料がかからない国際送金の方法を提案してくれ、その方のアラブ系銀行の口座から、一度ヨルダンの夫の兄の口座を経由して、シリアやトルコに送金するという方法が実現しました。

支援金をお送りくださった皆様、また支援金の受け取りや配布に協力してくださったたくさんのシリア人の親族・知人のご協力により、これらの支援が多くの被災地の家族のもとに届いています。引き続き、この活動を報告していきたいと思います。皆様、どうもありがとうございました。

<ここからは裏話です>

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トルコ・シリア大地震 支援金の送付状況(2023年3月7日時点)

トルコ・シリア大地震の緊急支援として、集めさせていただいた支援金を、現地在住の信頼できる親族や知人を通し、現地のシリア人ネットワークから配布させていただいています。トルコ側ではシリア人は困窮層が多いこと、またシリア側の北西部イドリブ県は反体制派遅配地域であり国際支援が入りにくい地域であるため、シリア人を対象にピンポイントで必要な支援をお届けしています。以下は現時点までの支援金の送付状況になります。

*どの地域にいくらの支援金が配布されたか、現在集計中です。追ってご報告いたします。

<送金日・金額>

2月15日 送金 ¥515,000 トルコへ

2月17日 送金 ¥507,000 シリアへ

2月21日 送金 ¥507,000 シリアへ

2月22日 送金 ¥507,000 トルコへ

2月27日 送金 ¥338,000 トルコへ

3月7日 送金 ¥510,000 トルコ・シリアへ

             〜 送金総額 ¥ 2,884,000 〜

<送付先>

●トルコ南部ガズィアンテップ県ガズィアンテップ県ガズィアンテップ・及びその近郊

・16家族87人(人数はおおよその数。倒壊家屋が多く、シリア人はテントが足りていない状況)

( 配布者 ワーセル・アブドュルラティーフ / アブドュルマリク・アサド )

●トルコ南部オスマニエ県オスマニエ

・1家族4人(貸家が被害を受け、失職し困窮している家族への支援)

( 配布者 ワーセル・アブドュルラティーフ )

●トルコ南部ハタイ県アンタキヤ

・6家族28人(人数はおおよその数。市街地では大変被害が大きく復旧の見通しが立たないため、多くの住人が街から移動。シリア人はテントが足りていない模様)

( 配布者 アブドュルラフマン・モヘイミド  )

●トルコ南部ハタイ県レイハンル

・21家族147人 (人数はおおよその数。アンタキヤからの避難家族が大変多い。シリア人はテント、薪・石炭・毛布などが足りていない)

( 配布者 アブドュルラフマン・モヘイミド / ムハンマド・サリーム )

●シリア北部アレッポ県ジェンディレス

●シリア北西部イドリブ県イドリブ

・38家族295人(人数はおおよその数。配布者はシリア在住の小松の夫の兄二人。全てが全く足りていないとの報告あり。国際支援があまり入っていない)

( 配布者 バーセル・アブドュルラティーフ  /  アブドュルラティーフ・アブドュルラティーフ  )

<支援金の分配>

支援金の分配については、シリア難民として現地在住の小松の親族や知人が、シリア人ネットワークの繋がりから、困窮した家族を優先に行っています。金額は、その家族の生活状況に応じ、現地の判断に一任しています。

現地で人々に最も必要とされているのがテントです。トルコ側では、公的な支援が受けられず、今も路上で暮らすシリア人の家族がいます。テントの購入費はひと家族あたり日本円で約35000〜40000円ほど(地域により購入可能金額に差があり)かかり、多くが困窮世帯のシリア人にとり、自力での購入は非常に難しい状態です。支援金はテントの購入費として、また暖をとるための薪・石炭や毛布、食料など、生活維持をするための支援金として使っていただいています。

〜現地への支援金送付・配布は現在も進行中です。現地からの写真やレポートも、まもなくご報告させていただきます〜

共同通信様に寄稿させていただきました

2月6日に発生したトルコ・シリア大地震から1カ月のタイミングで、共同通信様に記事を書かせていただきました。秋田魁新報様、信濃毎日新聞様など、全国の地方紙に配信され、五月雨式に掲載されたようです。

(2023年3月2日 信濃毎日新聞)

<以下、記事全文です>

再び生活奪われたシリア難民

トルコ・シリア大地震から6日で1カ月。死者が5万人を超え、現地では混乱状態が続いている。

トルコには、内戦から逃れてきた360万人以上のシリア難民が暮らし、その数はシリア難民全体の7割弱に及ぶ。大量の難民を、トルコでは比較的寛容な立場で受け入れてきた。

しかしその同情論は近年、コロナ禍で一変した。トルコ政府の経済政策の失敗で物価が上昇。社会の不満がシリア難民に向かった。「シリア人はシリアに帰るべきだ」と排他的風潮が高まっていた。

こうした中で、地震は発生した。シリア人は再び地震が起きる不安におびえている。建物の倒壊を恐れて家に戻れず、路上や空き地、公園、畑などにテントを張り避難している。各国から支援物資が届けられたが、暖を取るための薪や石炭、毛布、テントなどが今も不足しているという。

シリア国境の移動規制が緩和したこともあり、シリアに移動するシリア人も多い。トルコの首都アンカラの非政府組織(NGO)で働いていたムサンナ・アルバクルも、その一人。給与が安い上、アンカラの物価が高騰し、生活は限界に達していた。地震後、家賃が2倍に上がったことが追いうちをかけた。

アンカラやメルシンなどのトルコ南部の大都市では、被災地から親族を頼って移動してくるトルコ人も多く、住居需要が高まっている。既に入居していたシリア人を家主が追い出し、新たに親族を招き入れることも増えた。そのため、地震で直接被災しなかったムサンナのようなシリア人が、法外な家賃を請求され、生活基盤を失うケースが多く報告されている。

また被災後、シリア人はトルコ人と比べ、明確な格差をつけられるようになった。特に支援物資の配給や捜索の場で顕著だ。物資を受け取れずに、避難所を利用できないこともあった。さらに不満のはけ口となり、暴力事件に巻き込まれることも増えた。こうした動きから、ムサンナはシリアへの移動を決めた。

「内戦が続くシリアでは空爆の危険もあります。しかしトルコに比べたら、シリアは私たちにとって楽園です」。ムサンナ一家は現在、国境に近いイドリブ県サルマダの親族の家に身を寄せている。シリアはトルコに比べ物価が安く、住民から差別を受けることもない。何より、誰からも虐げられないという安心感がある。

だが問題もある。シリアでは、国内が政治的に分断され、人道支援すらままならない。地震の被害を受けたシリア北西部イドリブ県でも、反体制派支配地域であるため支援が入りにくい。今回も地震発生から3日後になってようやく支援が入った。トルコ側に比べると圧倒的に支援体制が弱い。

「この地震は、シリアの空爆の恐怖を呼び起こさせました。そして一度シリアで失った生活を、もう一度奪いました」。

状況が落ち着いたら、ムサンナは再びトルコに戻るつもりでいる。生活は困難だが、子供たちのため、選択肢の多い環境に身を置きたいと考えているからだ。

被災地では、住居不足と地震への恐れから、避難生活がしばらく続くだろう。こうした状況下、圧倒的に困窮層が多かったシリア人が、さらに生活苦へと追い込まれていくことが懸念される。シリア人にとって、この地震による被災は、これまで続いてきた終わりの見えない避難生活の延長線上でしかない。

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(カンやビンなどの資源物を集めるシリア難民、カーセム・アウラージ。ハタイ県レイハンル。2017年。このあたりはレイハンルの旧市街で古い建物が多く、地震で被害を受けた)

記事について、ひとこと

記事を寄稿させていただき、大変光栄なことでした。一方で、地震から1カ月が経ち、報道も少なくなり、現地の様子が臨場感をもって伝えられなくなりつつあると感じています。

多くの国際支援が現地に届いていますが、支援の格差やシリア人への排他的風潮が見られ、地震で直接被災しなかったにもかかわらず、家を追い出され、シリアに帰ることを選択するシリア人も少なくないようです。被災地では、今も多くの人々がテントを手に入れられず、倒壊の危険のある建物にやむなく住み続けたり、路上で暮らしています。残念ながらそのほとんどがシリア人で、トルコの公的な支援から排除されているようです。ハタイ県レイハンルに暮らす知人の話では、NPOがテントを配布していたが、列に並ぼうとしたところ、トルコ人の警察や警備員に拒否され、追い払われたとのこと。アンタキヤ、レイハンル、ガジィアンテップなどの複数のシリア人の知人から同じ話を聞いております。大変残念なことです。

記事執筆にあたり話を聞いたシリア人、ムサンナ・アルバクルの話が忘れられません。「シリアでは空爆の危険もあります。しかしトルコに比べたら、シリアは私たちにとって楽園です」。空爆の危険があっても、インフラが非常に不安定でも(電気、ガスなどは1日のうち半分使えれば良いほう)、シリア人故の差別や理不尽な立退などを迫られることのないシリアは、何より安心できる土地だというのです。これまで異郷に生きようと努力してきたシリア人の、深い失望と悲しみを感じるのでした。

「この地震は、一度シリアで失った生活を、もう一度奪いました」というムサンナの言葉からは、延々と続く不安定な避難生活への、疲労感が感じられます。記事の最後に書きましたが、シリア人にとって、この地震による被災は、これまで続いてきた終わりの見えない避難生活の延長線上でしかないのです。

AERAdot.(アエラドット)様にインタビューいただきました(2月19日配信記事)

2月6日に発生したトルコ・シリア地震の現地の状況について、インタビューいただきました。大きな被害を受けたトルコ南部ハタイ県、オスマニエ県などを長年取材し、現地に夫の親族や知人がシリア難民として暮らしていることからお話をいただきました。

https://dot.asahi.com/dot/2023021700055.html?page=1

現地で浮き上がっているのは、トルコ人とシリア人への支援の格差のようです。もともと社会的弱者だったシリア人たちが、さらに厳しい生活に追い込まれていくことが懸念されます。

(2023年2月20日)

NHKラジオに出演いたしました(2月14日18時出演)

2月6日に発生したトルコ・シリア地震について、現地の知人から聞いた状況などを交えてお話させていただきました。生放送でモゴモゴしてしまいました。(ご注意:聞き逃し配信は2月21日20:00まで)

トルコ・シリア大地震 シリア難民の状況は【Nらじ】ニュースアップ

<番組のご視聴はこちらより>

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=4774_04_3843370&fbclid=IwAR2k4Xts-6BXjK_GYGa11CGHSxXvPK4tqRyLxwciI2dXEkIY_Pn5ktoL7I8

皆様から届いた地震の被災者への生活支援金を、現地にお届けしています(2023年2月20日)

シリア・トルコ両国にまたがる大地震の発生から2週間ほどが経ちましたが、現地ではまだ混乱状態が続き、被災者の多くが厳しい寒さの中、不安定な避難生活を送っています。

さて、被災したシリア難民への生活支援金を募らせていただいてから、大変多くの方々よりご支援をいただきました。19日までにいただいたご支援の総額は、¥2911521です。

こちらを、地震被災者の中でも特に社会的弱者であるトルコ在住のシリア難民層や、また国際支援が届きにくいシリア北西部イドリブ県の被災者へお送りすべく、現地の親族・知人と連絡を取り合いながら動いております。

まずは第一弾として¥1022000を送金し、すでに現地で配布されております。

送金方法は、アラブ系銀行を使った送付を検討しましたが、時間を要すること、手続きが煩雑であることが分かり、送金がスムーズで確実なウェスタン・ユニオンで送金しました。

*当初、地震被害の大きいアンタキヤやレイハンルに直接送金を試みましたが、現地のウェスタン・ユニオン代理店が閉鎖しているため、オスマニエの親族に受け取り手になってもらいました。トルコ国内、またトルコからシリア国内への送金はスムーズに行うことができます。

*送金の受け取りについて、シリア難民の場合、ウェスタン・ユニオンでは一ヶ月に一人約16万円の上限額が決められています。そのため、まずは一人当たり16万円ずつ、以下の6人の親族宛に送付し、以下の金額の受け取りをお願いしました。

*現在、トルコ南部の金融機関が現金の欠乏状態にあるようで、銀行やATMには人々が殺到しているとのこと。送金したお金の受け取りに時間がかかったようです。

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(送付額・受取手・受取額)

支援金第一弾 送付額 ¥1022000(うち送金手数料¥30000)

ワーセル19181TL

ワーセルの妻23150TL

ガーセム23811TL

ムハンマド21564TL

ゲッスン21564TL

ローバ21564TL

受取額 合計 130834TL

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以上の130834TLをさらに以下の地域に送金、現地で分配し、テントや路上で避難生活を送るシリア人被災者の家族に送金しているところです。またこうした送付や受け渡しには、信頼できる親族・知人にそれぞれお願いしています。

<トルコ> 送付額66142TL(送金手数料を引いた¥500000分)

○ガズィアンテップ県ガズィアンテップ市

○ハタイ県アンタキヤ、レイハンル

○メルスィン

<シリア> 送付額64692TL(送金手数料を引いた¥492000分)

○シリア北西部イドリブ県

○シリア北部アレッポ県アフリン市ジェンデレス 

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シリアへの送金については、シリア北部のラッカ、アレッポ県アル・バーブに住んでいる夫の二人の兄に委託します。

兄たちがシリアのアル・バーブで支援金を受け取り、アレッポ県アフリン市ジェンデレス、さらにイドリブ県まで、直接支援金を持って受け渡しに向かうことになりました。

反体制派支配地域であるシリア北西部イドリブ県は、政治的理由で特に国際支援が入りにくい地域ですが、シリア在住のシリア人だからこそ、現地のネットワークの中で支援金を運ぶことが可能です。

まさに日本、トルコ、シリア間で、親族のネットワークをフル活用した支援金送付の道ができております。

多くの皆様からのご支援に心より感謝しております。いただいた支援は現地に順次お届けしていますのでご安心ください。また後ほど、どこにどれだけ送金し、どういった支援に使われたなどの報告をさせていただきます。

何か質問などございましたら遠慮なくお問合せください。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。皆様、どうもありがとうございます。

小松由佳

(2023年2月20日)

【地震で被災したシリア難民への支援をたくさんいただいております】【トルコ大地震、現地からのレポート(2023年2月13日)】

皆様、こんにちは。このところ、トルコ大地震の被害のことで頭がいっぱいです。現地では、地震後一週間が経過しても、大変厳しい状況にあるようです。

先日は、地震で被災したシリア難民のコミュニティへ、支援金を集めさせていただきたいと呼びかけたところ、すぐにたくさんの方々より反応がありました。

なんと驚くことに、すでに100万円近い支援金が手元に届いております。皆様の温かいお気持ちに、感謝しかございません。どうもありがとうございます。

昨日早速、その一部を、地震被害の大きかったトルコ南部のレイハンル、アンタキヤに送金しました(後ほど、どこにいついくら送金したかの詳細を、ご報告いたします)。

被災地域はシリア難民が多く暮らす地域であり、かつ彼らのほとんどが避難してから10年未満で、トルコ社会でも貧困層として知られています。

トルコ人もシリア人も同様に被災はしていますが、圧倒的多数が正式な国籍を持っていないこともあり、人道支援はどうしてもトルコ人優先となり、シリア人は公的避難所を利用できなかったり、食料や薪(暖をとる)などの配布、病院での治療、さらには行方不明者の捜索現場においても、トルコ人が優先されている現状が見受けられます。

私は個人的に活動しているため、NGOなどが手がける大きな支援ではありませんが、直接繋がっている顔の見える関係性のなかで、助けを必要としている社会的弱者であるシリア人へ、支援をお届けしたいと思います。

また、国際支援が届きにくいと言われている被災地、シリア北西部イドリブ県の反体制派地域にも親族や知人がおりますので、そのネットワークから、今後そちらにも支援をお送りできたらと思います。

今回の被災地域は、2015年以降まさにシリア難民の取材のため足繁く通ってきた地域です。これまで現地に子供を連れて取材に行き、多くの人々に支えられてきました。今度は、被災し苦しい状況にある人々に、少しでもお気持ちを届けるお手伝いができたらと思っています。

被災したシリア難民のご支援にご協力いただきました皆様、本当にどうもありがとうございます。いただいた支援は間違いなく現地にお送りすることをお約束し、支援が人々の生活維持、生活再建に役立てられていくことを祈るばかりです。

▼【トルコ地震で被災したシリア難民の家族・知人に、支援金を集めさせていただきたいと思います】

https://yukakomatsu.jp/category/news/

<お問合せ・ご不明点について>小松由佳(nameless.star.yuka@gmail.com)

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また支援金を集めさせていただく上で、現地の状況について把握を心がけています。

今回、現地の支援がどこまで行き届いているのか、現地でどのような問題が起きて、どのようなことに悩んでいるのかなどを、トルコ南部ハタイ県在住のシリア難民に取材しました。ご覧ください。

(以下は、「小松由佳有料会員コンテンツ」に投稿した記事ですが、多くの方に関心を持っていただきたく一般公開させていただきました)

▼【トルコ大地震、現地からのレポート(2023年2月13日)】

https://yukakomatsu.jp/category/paid-photo-essay/

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。    小松由佳(2023年2月13日)

【トルコ地震で被災したシリア難民の家族・知人に、支援金を集めさせていただきたいと思います】

2月6日に発生したトルコ南部からシリア北部にかけての地震では、二万人を超える犠牲者が出ており、今も行方不明者の捜索が続いています。

トルコ南部には多くのシリア難民が暮らしており、夫の親族や知人もこの地にたくさんいることから、2015年以降、シリア難民のコミュニティを取材してきました。

彼らが暮らしていたのはトルコ南部ガズィアンテップ、オスマニエ、アンタキヤ、レイハンルなどで、いずれも被害が大きかった地域です。特に多くの建物が倒壊したアンタキヤでは、親族や友人が亡くなっています。
 
また無事に避難した人々も、建物の倒壊の危険から家に戻れず、路上や空き地、公園、車などで避難生活を続けています。

もともとトルコ社会の最底辺層として困窮していた彼らが、地震によってさらに厳しい生活に追い込まれており、しかもこうした不安定な生活がしばらく続きそうです。

今後の生活の不安や、寒さ、日々の食糧の確保に苦しむ彼らに、生活支援金を集めてお送りできたらと思っています。

集めさせていただいた支援金は、直接現地の家族、知人に送り、水や食料、暖をとる薪、薬や医療品など、生活維持に必要な物資の購入に使っていただく予定です。

NGOが行うような大規模な緊急支援ではありませんが、手の届く範囲、顔の見える範囲で、「応援しています」の気持ちと共に現地にお送りしたいと思います。

もし賛同いただけましたら、皆様のご協力をどうぞよろしくお願いします。いただいたご支援は、私が責任を持って現地に送付します。

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【 地震で被災したシリア難民への支援金 お振込先 】

三井住友銀行
八王子支店
普通
8553199
コマツ ユカ

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以上、どうぞよろしくお願いします。
小松由佳

毎年お世話になっていたレイハンルの夫の親族アブ・アフマッドの家で食事中。2022年8月。このマンションも地震で壁などが壊れ、一家は空き地にて、車とテントで寝泊まりしている。

(2023年2月11日)

1月28日開催の「アラブ菓子を食べる会」。アラブ菓子の知られざる世界を味わいました!

私は普段、シリア内戦や難民の問題などを取材し、伝える活動をしています。ただ、こうした難民の苦境だけでなく、彼らの文化を理解することで難民問題にもより関心を持っていただきたく、「アラブ菓子を食べる会」というイベントを企画しました。

イベントは25名様限定。1月28日に東京都代々木上原駅近くのギャラリーで開催しました。ありがたいことに満員御礼をいただき、美味しく楽しい時間となりました。

当日はゲストとして、アルジェリア人の旦那さんを持つアラブ菓子職人、ウアムリア奈津江さんをお招きし、アラブ菓子の種類、作り方、楽しみ方などお菓子にまつわるあれこれをお聞きしました。心はすっかりきらびやかなアラブ菓子ワールドへ。

「アラブ菓子を食べる会」の会場は、代々木上原駅から徒歩3分ほどのハコギャラリー。目の前には活気のある商店街が続いていました。

ハコギャラリーの2階が会場。スクリーン、音響設備や台所もあるので、さまざまなイベントで重宝しそうです。会場利用費も大変良心的な会場です。

ウアムリアさんは普段、「ChezOumH(シェ・オンム・アッシュ)」というアラブ菓子専門店を経営しています。

▼「ChezOumH(シェ・オンム・アッシュ)」

https://chezoumh.theshop.jp

〜以下、サイトより抜粋〜

【ChezOumH】(シェ・ウム・アッシュ)はアラブ圏、主にアルジェリア、チュニジア、モロッコなどのマグレブ地方の焼き菓子を中心にオリジナルのアラビック・スイーツを作っています。特に日本人の口に合うお菓子をチョイスしています。アラブの象徴的ドライフルーツのデーツ(ナツメヤシの実)はもちろん、アーモンド、胡桃、ココナッツ、ピスタチオなどのナッツ類を贅沢に使い、ローズやオレンジなどのフラワーエッセンスやスパイスを加えた甘くエキゾチックなお菓子。バター代わりにオリーブオイルを使い、オーガニック素材がとにかく充実しています。日本の方にはとても甘いイメージを持たれているアラブ菓子ですが、家庭で出されたお菓子は贅沢な素材と自然な甘さに加え、一家を支えるお母さんの温かさが感じられます。

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「デーツ(ナツメヤシの実)はもちろん、アーモンド、胡桃、ココナッツ、ピスタチオなどのナッツ類を贅沢に使い、ローズやオレンジなどのフラワーエッセンスやスパイスを加えた甘くエキゾチックなお菓子」、「贅沢な素材と自然な甘さに加え、一家を支えるお母さんの温かさが感じられます」。うーん、お菓子の紹介を読んだだけで、美味しそうでヨダレが出そうですね。

イベントでは、とにかくアラブ菓子の豪華さ、作り手や原料のこだわりを知り、アラブ菓子はありがたいお菓子だな〜と実感。実際、原料がこだわりの素材であるのに加え、作るのにもうんと手間がかかるのです。

イベント前の静寂の時間。

イベントで配ったアラブ菓子5種。左側、上、右の3種がウアムリアさんが作ったアラブ菓子。真ん中と下が、小松が用意(購入)したパクラヴァ。どれもボリュームがあり、スパイスやナッツが豊かに使われ美味でした!

またシリア人の小松の夫も動画で登場し、かつてシリアでよく食べた思い出のアラブ菓子、「ハロウ・ジュブナ」や、日本でお気に入りの意外なお菓子についても(ページ下の裏話にて動画も公開しています)語ってもらいました。

またウアムリアさんが、アラブ菓子にのめり込むきっかけとなったマグレブ(リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコなど北西アフリカ諸国の総称)音楽の世界もご紹介いただき、アルジェリア人の人気歌手ハーレッドの大ヒットソング「アイーシャ」を会場で流しました。

▼Khaled / Aicha(有名なマグレブ音楽の一曲)

https://youtu.be/gzlHucbD76U

こちらはなんともノリノリの曲ですね〜。踊り出したくなるようなすごい高揚感です。

配布するアラブ菓子を準備中。

イベントの様子。前半はウアムリアさんのお話をお聞きし、後半はアラブ菓子を食べながらの交流会でした。

ウアムリアさんのご用意したアラブ菓子の説明。

また会場では、トルコ西部イズミルで、シリア難民の支援活動をされている菊地泰基さんが現在開発中の「ブラウン・ピスタチオ・ラテ」を振舞ってくださいました。こちらは、コーヒーとミルクティーの中間のような、まろやかなテイストのラテ。なんだかホッとする味です。トルコではピスタチオ・コーヒーとして親しまれているものを、日本人が飲みやすいよう改良し、制作過程をシリア人に委託することで、難民の雇用創出に繋げるための活動です。

現在、菊地さんはクラウドファウンディングも行っているとのこと。ご協力いただけると美味しい「ブラウン・ピスタチオ・ラテ」が送られてきます。是非ご協力をお願いいたします。私も応援しました!

▼〜トルコ人とシリア難民を繋ぐ女性に優しいノンカフェイン飲料「ブラウン・ピスタチオ・ラテ」〜

https://camp-fire.jp/projects/view/628283…

やはり、食べることへの興味は世界共通。食を通して文化を知るのは素晴らしい試みだと実感しました。

ウアムリアさん、アラブ菓子の素敵な世界をお伝えくださり、ありがとうございました。改めて、アラブのお菓子の奥深さ、豊かな世界を味わった時間でした。これからもアラブ菓子をありがたくいただきたいと思います。

イベントのスタッフ。右から「ブラウン・ピスタチオ・ラテ」を提供下さった菊地さん、私、アラブ菓子職人のウアムリアさん。皆様、ご協力をありがとうございました!

そしてお菓子や音楽という見地から、アラブの文化を発信しているウアムリアさんに大きな刺激をいただきました。いつも様々な角度から世界を見ること、考えることを意識したいものです。今後も、多方面からアラブ文化を理解するためのイベントなどを企画していきたいと思います。

さて、ここからは「アラブ菓子を食べる会」の裏話コーナーです。

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イベントのお知らせ「アラブ菓子を食べる会」1月28日13時〜

私は普段、シリア難民を取材し、彼らの現状を伝える活動をしていますが、難民の問題に関心を持っていただくためには、彼らの文化的背景を理解いただくことも重要です。多くの方にアラブ文化について関心を持っていただけるよう、多様な角度から文化理解を深めるための企画をしています。

今回は、アラブ菓子にまつわるイベントです。その名も「アラブ菓子を食べる会」。

当日はアラブ菓子職人の ウアムリア奈津江 さんをゲストにお招きし、さまざまなアラブ菓子を一緒に食べつつ、アラブ菓子の知られざる世界を存分にお聞きします。ぜひご参加ください。

定員20名様限定ですので、ご希望の方は、小松までメールをいただくか、以下のリンクより小松までご連絡ください(「アラブ菓子を食べる会」申し込みと記入ください)。

<お申し込み先> https://yukakomatsu.jp/contact/

『岳人』様に寄稿させていただきました

『岳人』2023年1月号( No.907)に寄稿させていただきました。

このところ、故郷秋田を訪ね、土地に刻まれた先人の歴史を取材しています。人々が歩いた道、生きた痕跡を訪ねて。私の目から見た故郷の姿を撮りためていきます。

こちらでは、秋田県南部に残る、飢饉の悲しい歴史について執筆しました。

(2023年1月12日)

オンラインイベント「シリア難民の子供に教育機会を」のお知らせ

オンラインイベント「シリア難民の子供に教育機会を(令和学校プロジェクト)」12月17日17:00〜

今年、世界の総人口は1億人を超えましたが、難民の総人口も1億人を超えました。世界では今も多くの紛争が続き、多くの難民が厳しい生活を強いられています。

2011年以降内戦状態となったシリアでも多くの難民が生まれ、多くの子どもたちが教育の機会のない状況で成長しています。

現在、シリア難民の子供の支援活動を手がけるNGO、ボンヤーンが、シリア北部に学校を作るための支援を募っており、その関連イベントとして難民の子供たちの教育の問題にフォーカスしたオンラインイベントを開催します。

自らシリア難民として、現場の第一線に立つボンヤーンのスタッフから、リアルな現地報告も聞ける貴重な機会です。小松も後半、現地取材で見た難民の子供の状況などをお話いたします。是非お気軽にご参加ください。

日時:2022年12月17日(土曜日)17:00~19:00

会場:zoomによるオンラインイベント

モデレーター:アルマンスール アフマド氏(Key Message International顧問)

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(スケジュール)

17:00~17:05 開会のあいさつ:岩澤康一氏(Key Message International代表)

17:05~17:40 ムハマド・アディル氏(ボンヤーン、パートナシップ&PRコーディネーター):「令和学校プロジェクト」について

17:40~18:15 ムハマド・ガダーリ氏(ボンヤーン、フィールドオフィサー):シリアの現在の人道状況について

18:15~18:45 小松由佳氏(ドキュメンタリーフォトグラファー) :トルコに生きるシリア難民の子供たち

18:45~18:55 質疑応答

18:55~19:00 閉会のあいさつ:アルマンスール アフマド氏(Key Message International顧問

***********************

参加ご希望の方は、添付ポスターのQRコードより、または以下のアドレスからご登録をお願いします。

https://bit.ly/3uH3b4m

 NGOボイヤーンの、クラウドファンディングページ:

〜シリア北部に学校を建設するための支援を募集しています〜

https://www.launchgood.com/campaign/build_a_school_for_syrian_refugee_children_2?fbclid=IwAR3NJLt9DChRuMd5nuff42WW1QrRFFWzgKmmlNXe4oK9_LBvicBPSxzmG84#!/

NGOボンヤーンについて

https://bonyan.ngo/about-us/

「小松由佳 取材報告会 2022」12月11日開催のお知らせ

【 12月11日は、いよいよ最後の取材報告会です 】

11月より何度か取材報告会を行わせていただきましたが、12月11日は最後の取材報告会となります。

「小松由佳 シリア難民 取材報告会2022 」

期日:12月11日 13:30〜15:30

参加費:1000円

会場: 「Cafe Hammock(カフェ・ハンモック)」

https://hammock-mitaka.com/access/

(中央線三鷹駅徒歩5分)

会場はハンモックがお楽しみいただけるカフェとのこと。ハンモックにゆらゆら揺られながら報告をお聞きください。また当日は、アラブ菓子やアラブのコーヒー、お茶などをご用意します。アラブ文化を五感で味わいながら、和気あいあいと交流をさせていただきたい忘年会のようなイベントです。

当日の予約なしの参加も可能ですが、人数把握のため、参加ご希望の方は、私宛に直接メッセージをいただけましたらと思います(HPの「コンタクト」より、ご連絡ください)。皆様にとってお忙しいだろう年末間近のイベントとなりますが、是非お誘い合わせのうえご参加ください。以上、どうぞよろしくお願いします。

小松由佳

【 大阪・名古屋・東京での講演会のお知らせ 】

日程が近くて恐縮ですが、大阪・名古屋・東京にて行われる講演会のご案内です。全て予約不要です。ご都合がつきましたら、是非ご参加ください。

▼講演タイトル:

「K2登頂から砂漠へ、難民の土地へ」 

かつてのK2 登山や、現在のシリア難民の取材まで、歩いてきた道のりや信念をたっぷりお話しします。

▼期日:

  • 12月3日(土)14時から16時 大阪(丸善インテックアリーナ)
  • 12月4日(日)14時から16時 名古屋(栄ガスビル ガスホール)
  • 12月8日(木)18時から20時 東京(四谷区民ホール)

▼主催:

日本山岳救助機構合同会社(jRO)様

https://sangakujro.com/12月【東京・大阪・名古屋】jro会員講演会開催のお/

(こちらの講演について、ジロー様のフォームには、「申込みは締め切りました」と書かれていますが、担当の方に確認したところ、席がまだたくさんあるので、当日に、感染対策のためのご連絡先を書いていただけたら、予約なしの当日参加が可能とのことでした)

▼日本山岳救助機構合同会社(jRO)様について

jRO(ジロー)様は、Japan Rescue Organizationの略です。現在、日本では年間2500件の山岳遭難が発生しており、遭難事故が発生すると、救助などに莫大な費用がかかります。jROの会員は、年会費約5500円(スタンダードプラン)で、その費用が550万円まで補填されます。

jRO様には、現在8.4万人の会員がいて、山を愛する仲間の相互扶助の精神によってこの仕組みが成り立っているそうです。

さらに「ココヘリ」というサービスは、遭難者をいち早く発見するための「会員制捜索ヘリサービス」。ココヘリ会員証(ヘリコプターのマークのキーホルダー)が発信機になっており、離れた場所からも捜索者を特定することができ、救助までの時間を格段に短縮できる画期的なサービスです。

発信機は、自分が意識を失っても、水中に完全に沈まない限り、ずっと電波を発してくれ、フル充電で2.5ヶ月持続するそうです。「ココヘリ」サービスがもっと普及したら、行方不明者の捜索の現場が大きく変わりそうですね。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

11月28日開催 「オンライン取材報告会 2022」の視聴はこちらより

11月28日の20時より、「小松由佳 オンライン取材報告会 2022 」を行わせていただきました。報告会を録画しましたので、ぜひ以下よりご視聴ください。

「 小松由佳 オンライン取材報告会 2022 」について

2022年7月から3ヶ月をかけ、トルコ南部に暮らすシリア難民の取材を行いました。トルコでは、670万人近いシリア難民のうち380万人が暮らしています。今年も6歳と3歳の子供たちを連れ、現地へと向かいました。そこで目にしたのは、コロナ後の難民生活の深刻な変化でした。今、難民たちがどのような状況に置かれているのかを、お話しします。

また今回は、11年ぶりにシリアに向かい、(シリア難民の一人である)夫の故郷パルミラに入りました。空爆で破壊された街で目にしたもの、考えたことなどを写真を交えてお話ししたいと思います。

年々、シリア難民の報道は少なくなっておりますが、今も多くの難民たちが苦境の中を生きています。少しでもシリア情勢や難民の状況に、多くの方が関心を抱いてくださるよう、今後も取材と発表を続けていきたいと思います。

報告の主なテーマ

・シリア難民への反発が強まるトルコ社会

・欧州を目指すシリア難民

・シリア、パルミラの今

・シリア人の結婚文化

小松由佳プロフィール

1982年秋田県生まれ。ドキュメンタリーフォトグラファー。高校在学中から登山に魅せられ、国内外の山を登る。2006年、“世界で最も困難な山”と称される世界第2の高峰K2(8611m / パキスタン)に日本人女性として初めて登頂。植村直己冒険賞受賞(2006年)。

次第に風土に生きる人間の暮らしに惹かれ、草原や沙漠を旅しながらフォトグラファーを志す。2008年よりシリアを撮影。2011年からのシリア内戦では人々の境遇の変化を目撃、シリア内戦・難民の取材を始める。

著書に「人間の土地へ」(集英社インターナショナル/2021年9月)。2021年、山本美香記念国際ジャーナリスト賞受賞。シリア人の夫と二人の子供と東京都八王子市在住。公益社団法人日本写真家協会会員。

視聴URLはこちらより

*注意点*

恐縮ですが、こちらは第三者への譲渡や、インターネット上での公開を禁止しております。ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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「小松由佳 オンライン取材報告会」11月28日 20時開催 の参加申込先について

こちらはzoomを使ったオンライン取材報告会です。

小松由佳HP有料コンテンツ会員の皆様、取材前にサポートをいただきました皆様、困窮されている方々は無料で参加いただけます。一般の方は、恐縮ながら参加費1000円をいただきます。ご自宅から是非、まったりご参加ください。視聴のお申し込み先は以下となります(HP有料コンテンツ会員の皆様はお申し込み不要です)。

https://peatix.com/event/3426889/view?k=ef67876df8674a8f7f070d0a9ce272deff91d9fd

お知らせが大変遅くなってしまい申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。またこちらは録画しますので後日視聴も可能です。ご希望の方は、HPの「コンタクト」より、その旨をご連絡ください。

探検家、人類学者の関野吉晴さんとの対談イベントが終わりました

11月20日のイベント、「地球永住計画 公開講演 〜冒険者たち〜 小松由佳(フォトグラファー)×関野吉晴(探検家・医師)」が無事終わりました。

当日は、多くの方にお越しいただき、満員御礼をいただきました。どうもありがとうございました。こちらのイベントは会場の都合で人数制限がありましたが、26日からオンデマンドで3日間視聴いただけます。オンデマンド視聴のご案内は、公開され次第、ご案内します。

人類学者でもある関野吉晴さんとの対談を楽しみにしていたのですが、後半は現場での経験を一人で話してしまい、関野さんに申し訳ないことになりました。関野さん、すみませんでした。

打ち合わせでお茶をした際、かつて関野さんがグレートジャーニーの旅をされた国々が、その後の戦禍で立ち入れなくなった地域も多く、シリアもそうした地域のひとつだと聞いていました。もっとその当時の話をこちらから質問したらよかった、と反省しきりです。関野さん、ありがとうございました。

また最後の質問タイムでは、「パルミラで破壊された街や、そこに暮らし続けている人々を目にして大きなショックを受けた」と話をしたところ、あるお客様より、質問がありました。

「取材を終えて死生観は変わりましたか?」

死生観も変わったのかもしれないけれど、それ以前に、やはり人生観が変わりました、とお答えしました。取材は、人生経験を積む場となりました。

詳細は、26日以降から3日間限定のこちらのイベントのオンデマンド視聴や、別の会場での取材報告会にて聞いていただきたいです。今週26日には、亜細亜(アジア)大学様にて取材報告会があり、そちらでもお話いたします。

また、今回のイベントは日曜の夕方からということで、いつもながら子供をどうするか問題が勃発。東京都国分寺市の知人に子供たちを預かっていただけることとなり、大変助かりました!預け先は国分寺市恋ヶ窪の「憩い広場びぃだま」のY夫妻。子供たちは、Y夫妻を「びぃだまじいちゃん、びぃだまばあちゃん」と呼んで慕い、いつも可愛がっていただいております。

当日はサツマイモ掘りをさせてもらい、大きな大きなサツマイモがたくさん採れました。最後にピザにのせて食べたとか。Y夫妻、ありがとうございました!

また、こちらの「憩い広場びぃだま」は、一日一組限定でランチを出しており、イベントも開催しています。来年1月14日には私のトークイベントもやらせていただくことになりました。会場は、今年新築したばかりの木の温もり溢れるとても素敵なログハウスです。こちらも是非、ご参加ください(最寄駅は西武線恋ヶ窪駅です)。

以上、たくさんの皆様に活動に関わっていただき、取材報告会の一つ目が終わりました。どうもありがとうございました。さて、取材報告会はあと3回続きます。引き続きよろしくお願いします。

小松由佳

〜以下、今回のイベントの裏話〜(以下は、有料会員の皆様のみご覧いただけます)

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