トルコ大地震、現地からのレポート(2023年2月10日/レイハンル・アンタキヤ)

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6日に発生したトルコ大地震から数日が経ち、現地に暮らす親族、知人より被災状況が伝えられています。

夫の親族に死者は出なかったものの、遠い親戚や友人たちに死者が出ております(いずれもシリア人。アンタキヤにて死亡)。内戦から逃れた先のトルコで、地震によって命を落とすとは、なんという運命の残酷さでしょう。

以下は、トルコ南部ハタイ県、シリア国境の街レイハンルに暮らす親族、知人から届いたものです。

マンションの4階部分に住んでいた親族アブ・アフマッド一家は、地震によりマンションの建物に亀裂が入っていることから、自宅に戻ることを躊躇し、空き地で寝泊まりを続けています。この一家は、レイハンルでの取材でいつも泊めていただいていた家でした。現在、親族が身を寄せ合い、車とテントに分かれて避難を続けているとのことでした。

車の荷台部分にビニールシートで簡易的な屋根を作り、寝泊まりする。夜は非常に冷えるが、焚き火をし、暖をとりながら耐えている。

またレイハンルに暮らす私の知人アブドュルラフマン(もともとは夫と同じシリアのパルミラの出身で夫の幼馴染。トルコ取材ではいつもコーディネーターや通訳を務めてくれる)から、避難生活の様子が動画で届きました。

レイハンルには、アブドュルラフマンの親族が10家族近く集まって暮らしています。彼らの家の多くが、壁や屋根が壊れて倒壊の不安があるため、アブドュルラフマンの兄が借りているリサイクルショップ(食器や衣類、金物などなんでも売っていた)にて、6家族が避難生活を送っています。この店は、一階建で広い通りにも面しているため、大きな地震がまた起きてもすぐに避難でき、安全とのこと。

6家族が身を寄せ合うように避難生活を送るリサイクルショップ。店で販売していた古着は、床に敷いたり就寝時に体にかけたりして、寒さを凌ぐのに使っている。地震で崩れた壁に足を挟まれ、怪我した女性もいる。

レイハンルから車で1時間の距離のアンタキヤでは多くの建物が倒壊し、おびただしい犠牲者が出たとされています。

アブドュルラフマンとその兄弟は、友人一家が行方不明になっているため、アンタキヤで捜索と埋葬の手伝いをしています。以下はアブドュルラフマンから届いた動画です。9日撮影の動画です。

アンタキヤはレイハンルから車で1時間ほど離れたハタイ県の県都。高層建築が多く、また古い建物も多かったため、多くの犠牲者が出た。「ユカ、アンタキヤだ。全部建物が壊れている。人々は通りで暮らしている、ここに人々がいる」。
壁が崩落しているマンション。アンタキヤにて。

レイハンルでもそうですが、アンタキヤでも、多くの人々が空き地や公園にテントを貼って避難生活をしています。

公園や空き地で避難している人々の姿が見える。
アンタキヤにて。「アーイラ(家族)、アンナース(人々)、フィーシャーレア(路上にいる)」とのこと。地震から数日経ったが、人々の姿から依然混乱状態が伝わってくる。
アンタキヤの大通りにて。重機、瓦礫の山、行き交う人々の姿が見える。
行方不明者を捜索している現場。人々が心配そうに様子を見ている。
アブドュルラフマンのシリア人の友人が住んでいたマンション。地震で激しく倒壊した。友人とその家族は、今もこの瓦礫の下にいると思われる。
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捜索で発見された、アブドュルラフマンの友人(シリアのパルミラ出身)の子供たち。遺体は発見されると毛布でくるまれ、路上に置かれる。遺族による身元の確認を行い、墓場に埋葬する。

(注意)以下の動画には遺体の顔が写りますので、ご注意ください。

遺族の一人が、見つかった子供の遺体を確認している。
子供の遺体を、遺体収納袋に入れる準備を始めるアブドュルラフマンとその兄弟。
「ラーイラーハ イッラッラー(神は一人です)」とアブドュルラフマンがイスラムの祈りの言葉が聞こえる。重機で掘り返し作業を行なっているのが、友人が住んでいたマンション跡。いまも人が埋まっている。
捜索現場周辺の様子。
友人の子供たちのほかに遺体が見つかり、道路に安置される。「アトファール、ホーン。アトファール(子供がここにいる、子供が)」とのこと。周辺の瓦礫では、捜索が続いている。

このようにアブドュルラフマンの一家では、レイハンルでの避難場所(兄のリサイクル店)で安全を確保しつつ、行方が知れない友人やその家族の捜索、埋葬の手伝いを行っています。先の見えない混乱の中ですが、シリア難民同士、助け合いながら乗り越えようとしている姿が伝わってきました。

地震によって亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、一刻も早い生活の再建を祈ります。

(2023年2月10日)