レバノンで同時爆発と空爆。イスラエルとの全面戦争への懸念と、隣国のシリア人が思うこと

昨年10月からの、イスラエルとハマスとの衝突に続き、この9月17日以降、レバノンで起きていることは、中東全土を大きく揺るがす事態へと発展しています。

9月17日、ヒズボラのメンバーが使用するポケベルが同時爆発。また翌18日には、同じくヒズボラのメンバーが使用する無線機が同時爆発しました。これらはイスラエルによる攻撃とされ、死者は二日間合わせて37人、負傷者は3000人を超えています。

レバノンの武装組織ヒズボラ

ヒズボラは、イランの支援を受けるレバノンの武装組織で、兵力は30000人から50000人とされています。イスラエル全土を攻撃できる能力を備え、世界で最も武装が進んだ非国家主体とされます。

今回、そのヒズボラのメンバーが使用するポケベルや無線機が狙われたわけですが、ヒズボラは「軍事部門」とは別に「民生部門」を有し、通信機器を持つ者が必ずしも戦闘員とは限りません。

またこれらは手に持って顔の近くで操作する機器であるため、負傷者の多くが指や視力を失っています。多くの一般市民が巻き添えになったことで、この攻撃が市民への無差別攻撃であり、国際法違反だという指摘もされています。

シリアへ帰還する難民が急増

さらにその後、23日、24日に、イスラエル空軍がヒズボラの軍事拠点を標的にレバノンを空爆し、二日間で569人が死亡、1835人が負傷しています。

26日には、ヒズボラがシリアから武器を輸送するのに使用していたという理由で、レバノン・シリア国境の施設へも空爆が行われました。

こうしたなか、レバノンに避難していたシリア難民たちが、シリアのほうが比較的安全だとして、再びシリアに戻る動きが進んでいるようです。また、シリア人だけでなく、レバノン人も今後の戦闘激化を恐れ、シリアに流入し始めているとのこと。

シリア国境でレバノン難民急増 なかには帰国のシリア難民も

https://news.yahoo.co.jp/articles/54b2fa618d90edaf6993c9143c8838cb83018994

(2024年9月26日 AP通信)

9月27日現在、イスラエル軍がレバノン地上侵攻を準備中かと報道されており、今後の状況悪化が大変懸念される事態です。

こうした状況を、シリア国内のシリア人はどう捉えているのでしょうか。

お菓子を振る舞い合うシリア人

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