2012年から私は、シリア難民の取材を行ってきました。難民を撮るということは、彼らがかつて暮らした故郷を知ることでもあり、同時に、難民となって逃れなければいけなかったからこそ、人々がどんなにその土地を慕っているかを感じ続けることでもありました。

人間は生きる環境を自ら変える力を持つ存在です。しかし同時に、土地によって形作られる存在でもあると私は思います。人間はたとえその土地から離れても、原風景や記憶によって故郷の風土と共に生き続けるのです。

こうした難民たちの姿に触れるうち、私にもある変化が生まれました。それは、私にとっての故郷を再確認したいという思いでした。

1982年、私は秋田県秋田市の郊外に生まれました。祖父母の代までは米農家で、物心づく頃には、田んぼの畦が遊び場で、祖父母が田んぼで働く姿を見ていました。私にとっての故郷は田んぼであり、青く聳える山々でした。

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