大変光栄なことに、国立民族学博物館発行の月刊誌『みんぱく』(2023年8月号)様に寄稿させていただきました。
〜「人々は嘘をついているのではなく、「あえて真実を語らない」。いや「語れない」のだ。それが、このシリアを生きなければならない彼らからの、見えないメッセージなのだ。〜(文中より)
当初、原稿執筆テーマとして伝えられていたのは、「独裁下を生きる知恵」。世界各国の独裁政権下で、人々がどのように生きてきたか、生きているのかについて特集するということでした。私はこの10年ほど、シリア難民の取材を行ない、また昨年2022年には、11年ぶりのシリア国内取材に入りました。そうした背景から、内戦状態のシリアについて、フォトグラファーとしての視点から書けることを、というお話でした。
依頼をいただき第一に感じたのは、このような深みのある内容を書かせていただけることへの僥倖、そして「なんという難しいテーマだろう・・・」ということでした。雑誌の発行元が「国立」博物館であるため、そのバックにあるものを考えると、内容に大変気を遣いました。というのも、事実は事実として示しながらも、政治的な中立性を持たせなければならないからです。
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